1.発足の経緯


(1)東京都は2016年3月に立川市内の立川都市計画道路3・3・30号立川東大和線(立川市羽衣町二丁目~栄町六丁目 約2.5kM)道路幅28メートルの都市計画道路を第四次事業化計画の優先整備路線として、今後10年以内に事業化することを発表しました。羽衣町2丁目から南方向の国立市にある東京女子体育大学までの約800メートル、幅28メートルンの道路計画もその延長に位置付けられ、さらに矢川団地内を通過し、南武線を超え、甲州街道(旧20号)につながる道路計画です。
そして、東京都は2016年12月16日に都市計画変更素案の説明会を立川市内三か所で開催。立川第6小学校体育館には羽衣町住民を中心に約200名が参加しました。説明会開催の理由は、半世紀以上前に作成された原計画では立体予定であった交差点が、中央線の高架化により平面交差が可能になり、これが行政上は“変更”として扱われるために、該当住民に説明会を開催せざるを得なかった為と解釈されます。実際に、原計画のまま計画が進捗している小金井市や小平市では説明会は開催されていませんので、道路計画を知らない住民もいるのではないかと予想されます。
 説明会のチラシを読み、そして説明会に参加した多くの住民は一様に、半世紀以上前の道路計画が突然蘇るとは全く想定していなく、非常に驚き、なおかつ怒りを覚えました。昭和30年代の高度成長をまっしぐらに進んでいた時代とは大きく異なる社会情勢であり、これから日本の人口はますます減少していき、多摩地区では既に人口減少が始まっています(立川市は平成30年をピークに減少に転じています)。さらに高齢化が加速し(立川市高齢化率23%平成27年)、自動車の台数も毎年減っていくことが明白のなかで(全国世帯保有台数1世帯、1.064台、東京は全国で最下位の0.456台・自動車検査登録情報協会より平成27年3月末)、なぜ今莫大な税金を投入して巨大道路が必要なのか。大いなる疑問を多くの人たちが感じました。

(2)一度の説明会では納得できず、疑問を持った市民の有志が、2017年4月19日に立川市の行政サービスの一貫である「出前講座」を開催することを依頼し、羽衣中央会館で「道路計画説明会」を開催しました。都庁から8名、立川市から2名の担当者が出席し、昨年12月の説明会と同じスライドを使った説明がなされました。住民からは60名ほどの参加があり、非常に活発な質問や意見が出され、時間切れになってしまったほどです。

 

(3)「説明会」や「出前講座」での行政側の説明内容に合理性も必然性も感じなかった市民が、こんな理不尽な道路計画を看過するわけにはいかないと、2017年5月17日、皆さんと「羽衣町の街づくりを考える会」を発足させました。

 

(4)「羽衣町の街づくりを考える会」の活動を通して、当初の想定よりもはるかに多くの羽衣町の住民の方々が3・3・30道路計画に強い関心があり、自分の時代に限らず次世代の為にもこの道路計画に反対していることを実感しました。反対の意思表示のポスターを壁や塀に貼っていただいているお宅も増え、曙町や栄町の方々とも交流を始めるに至りました。そこで、今後の活動をさらに広げ、立川市民に3・3・30道路計画の問題点を訴え、道路計画を見直しさせる気運を大きく盛り上げていきたいと考え、会の名称を『羽衣町の街づくりを考える会』から『28m道路計画を考える立川市民の会』と変更しました。

 

 

2.活動経過


活動の中心になる3つの項目を選びました。
1)3・3・30道路計画の必然性や合理性に疑問をいだかれた方々や3・3・30道路計画に反対の方々と意見交換をし、ともに学ぶ場を設け、出来る限り多くの人に参加していただき、皆さんの力を結集して粘り強く活動の輪を拡げていく。
2)区部や多摩地区の道路計画を考える市民組織と交流し、その方々の経験から学び、活動のポイントとなる情報をいただき、そして連帯して活動していく。
3)道路計画の作成や施行を担当する行政と議員に、住民の真の幸せの為の街づくりを目指して、3・3・30道路計画の全面的な見直しの働きかけをする。

これらの活動の基本的な考えに沿って、2017年初めから『活動履歴』にあるように日々精力的に活動を続けています。

 

 

3.会の目的

 

『28m道路計画を考える立川市民の会』は、「何のための誰のための道路なのか」「本当に必要なのか」「立川市の街づくりはどうなってしまうのか」「子どもや老人にとって環境は大丈夫か」等々を市民が自分の意志で自発的に自由に参加し、いろいろな立場で話し合う「会」です。   
今回の計画道路が私たちの生活に及ぼす影響や対応について共に学び、知恵を出し合い、共に考え未来に向けて提案していくため、考え方や立場の違いを超え越えて、暮らしや自然環境を守るため、「会」を結成し、粘り強く活動をすすめていきたいと考えています。
また、立川市内にとどまらず、三多摩の地域でも、玉川上水等環境破壊する都市計画道路に反対する市民の会等との連携・協働もすすめていきます。

 

 

4.今後の行動計画と当面の課題


 *会則にある「活動」を具体化していきます。
 *都市計画道路の問題点等について学習会を行い、共通の認識を深めます。
 *東京都、立川市へ要望書を提出します。
 *都会議員や市会議員との意見交換を行います。
 *羽衣町内の諸団体、有識者に協力を要請します。
 *会への参加を呼びかけます。
 *会報など作成し市民に問題点を訴えます。